2022.5.24「おらが村から」の共感で国政へ
本市から選出の県議会議員、山本啓介氏の県政報告会が14日、壱岐の島ホール大ホールで開かれ、約750人もの市民が集結した。コロナ禍でありながらこれだけの人数が一堂に会すことは、しばらく目にしたことがないほどの盛り上がりを見せた。参加者からは「コロナは大丈夫なのか?」など不安の声も聞かれた。
主催者側も当初の予定よりも多くの来場者となったことを踏まえ、ホール外ではひとり一人に検温を実施、ホール入口では消毒の徹底で万全を期した。夏の参院選に出馬を予定する山本氏の話題は現在、本市の一大ニュースと言っても過言ではない。本市出身者が国政に挑むのは実に約80年ぶり。過熱するなというほうが無理かもしれない。コロナ禍で緊張感を持った感染対策に講じた主催者側は余計に骨が折れただろうと察する。
大村市から選出の自民党県連広報委員長を務める北村貴寿県議が語った山本氏のユニークなエピソードに会場は笑顔があふれた。北村県議は「山本氏の功績は私以上にみなさんが詳しいかと思う。そこで、私しか知らないエピソードを一つ」と前置きし、県議会のトイレでの一コマを語った。北村県議曰く、山本氏は県議会のトイレを使用した後、手洗い場に飛び散った水滴を丁寧に拭き取るのだそうだ。「たったこれだけの何気ないことだが、後から掃除をする職員は助かる。配慮の気持ちが行き届いている」という。
そこで、筆者も「私しか知らないエピソード」を一つ。県知事への要望のため、市長をはじめ、市職員らが県庁を訪れた数年前の話だ。取材で初めて県庁に同行した私に対し、取材後「県議会を案内しましょうか」と山本氏が声をかけてきた。県議会の建物内部に興味を示した私の思いをすぐに察したのだろう。
山本氏は議場や事務所などを案内した。議場では「せっかくだから」と記念撮影も。県知事への要望後、おそらく市長との打ち合わせや自身の業務で忙しかったはず。その合間を縫った30分ほどの時間を筆者のためだけに割いてくれた。北村県議ではないが、確かに周りに配慮した姿だったことを憶えている。
筆者から見た山本氏は「配慮の人」の印象が強い。私ら記者にも積極的に話しかける姿は現市政では少なく、見習ってほしいとさえ思う。
夏の参院選まであと2か月を切った。現在のところ、立憲民主や共産、維新などからも出馬する可能性が高い。他党候補者も強敵揃いで楽な戦いではない。このわずかな時間で山本氏がどこまで戦えるか。当紙は県下全域までの影響力はなく微々たる力だが、この島から可能な限りの応援をしようと思う。「おらが村から…」の思いは、多くの市民も共感してくれるはずだ。