2025.6.17議論不足の議員定数削減案

 次期市議選候補者の顔ぶれが、おおよそではあるが見えてきた。4日にあった市議会議員一般選挙立候補予定者説明会では、立候補の可能性があるのは18人。現職14人、新人4人が出席した。投票日は現在(9日時点)では、参院選と同日の7月20日の予定だが、国政において衆議院解散の可能性もあるため、その場合は8月3日ごろにずれることがあるかもしれない。

 次期市議選で思うこと。定数16人に対し候補者18人。今後、新たな候補者が名乗りを上げる可能性も否定できないが、あまりにも候補者数が少なすぎる。そこで、過去の市議選の定数と候補者数を振り返ってみた。

 2005年8月7日、定数26に対し候補者40人。2009年8月2日、定数20に対し候補者21人。2013年7月21日、定数16に対し候補者20人。2017年7月30日、定数16に対し候補者20人。2021年8月1日、定数16に対し候補者21人。2005年を例外として、ほぼ20人以上の候補者がいた。

 本市は人口減少が進み、現在も歯止めが利かない。過去の人口の推移は、2005年3万1414人、2010年2万9377人、2015年2万7103人、 2020年2万4948人。そして今年5月1日時点で2万3452人。明らかに急激な減少化が進んでいる。

 このような状況の中、市議の一部や市民の間では、議員の定数を見直すべきとの話が常に上がる。市議会は2021年の議員発議による定数削減を否決。2022年、議会改革特別委員会を開き、議員定数削減を議論したが「定数はこれまで通り。変更は行わない」と判断した。そして今年の市議会2月会議で、再び議員発議による議員定数削減案があがったが、議会の判断はやはり「現状維持」とした。

 現状維持を主張した意見には「市民への周知や議論の時間が必要。議員が減れば民意が生かされない」など。削減の主張には「年々人口減少が進んでいる」など、人口に見合った定数であるべきとした。

 議員定数削減の議論はここ数年、すべて否決だった。しかし、今回の立候補者数を見て、本当に現状維持で良かったのか、疑問しかない。このままならば、いずれ無投票の市議選もあり得る。そうなれば民主主義制度の崩壊だ。名乗りを上げれば誰でも市議になれる、あるいは1票を投じるべき候補者がいない未来。決して空想ではない。目の前に起こり得る現実だ。