2025.7.14議員定数案に対して各議員の判断

 1面記事の続きになるが、20日投開票の市議選を前に、現市議会の仕事ぶりを確認するため、今一度振り返った。

 議員定数の議論はこれまで何度も掲載し、重複する部分もあるが、議員資質を図る意味などから重要であると考えている。

 過去の市議選の定数は、人口動態や社会情勢、民意、そして市議自らの判断により適正数としてきた経緯がある。四町合併により、市政に変わってからの定数と市議選候補者数の変化を挙げる。

 2005年8月7日、定数26に対し候補者40人。2009年8月2日、定数20に対し候補者21人。2013年7月21日、定数16に対し候補者20人。2017年7月30日、定数16に対し候補者20人。2021年8月1日、定数16に対し候補者21人。そして今回は定数16に対し候補予定者18人。

 過去の人口の推移は、2005年3万1414人、2010年2万9377人、2015年2万7103人、 2020年2万4948人。5月末時点で2万3432人。明らかに減少化が進んでいる。

 議員定数削減案はこの4年間で3回、市議会で議論の機会があった。2021年6月、前回市議選前の市議会6月会議で、植村圭司議員は定数14人とする発議をした。「年平均約440人の人口減少がある。議員の仕事も市民の税金によって成り立っている。市民との痛み分けではないが、議会改革も考えねばならない」が理由だった。

 しかし採決では、議長を除き賛成5議員(植村圭司、町田正一、音嶋正吾、牧永護、山川忠久)、反対10議員(山内豊、小金丸益明、赤城貴尚、久保田恒憲、市山繁、中原正博、土谷勇二、清水修、中田恭一、鵜瀬和博)で否決だった。

 否決の理由には「事前に議会内で話し合いがない。議会で議論をして納得した上で発議すべき」などだった。

 2022年、市議会は議会改革特別委員会を開き、議員定数削減を議論したが「定数はこれまで通り」と判断した。理由は「多様な住民意思を市政に反映させるという、議会の根本的な機能を維持向上させるためには、現定数が必要である」だった。

 市議会2月会議で、松本順子議員の発議で再び議員定数削減案があがった。「適正な議員定数の議論を求めたい。全国の類似自治体の例と比較しても14人が妥当」と提案した。

 定数削減の理由として「市の人口は年々減り続けている。市の財政不安の中、市民の負担ばかりが増え続ける一方、昨年4月からは議員の給料が月2万円増額され、政務活動費の支給も加わり議会費が膨らんでいる。市民からの理解を得られるものではない」と述べた。

 しかし、議会の判断は再び、定数削減案否決だった。議長を除く議員15人は、議員定数削減に賛成は7人(松本順子、樋口伊久麿、音嶋正吾、植村圭司、山川忠久、武原由里子、赤木貴尚)。反対は8人(山内豊、中原正博、豊坂敏文、中田恭一、市山繁、山口欽秀、清水修、土谷勇二)。反対意見は「市民への周知や議論の時間が必要。議員が減れば民意が生かされない」とした。

 1面を含め、採決のあり方から、次期市議選の判断の目安になればと思う。