2025.8.25壱岐病院の増築工事がいったん白紙に
壱岐病院の増築工事が、通常では理解ができない理由で入札不落となり一旦白紙の状態となっている。増築工事は2~3年前から計画があったように記憶する。資料を調べ返すと、2023年8月30日付け「壱岐病院増築棟整備基本計画」があった。計画書には、病院前駐車場西側用地に増築棟を建て、約1750平方㍍の敷地に鉄骨造、または鉄筋コンクリート造、2階建て、または3階建ての計画だった。
予定工事期間は、増築棟本体が2024年12月着工、2025年11月完成。既存病院との接続通路改修が2025年11月から2026年1月まで、既存病院内の改修が、2026年2月から6月まで。設置機能には、「臨床研修指定病院機能」「心臓カテーテル室」「健康増進部門」などが記載され、市民の健康と医療の充実はかなり向上することが想像できる。
しかし、入札の落札候補者からは「専門技術者の見通しが立たず工事に着手できなくなった」と、今さら何を…の理由で辞退し、冒頭に述べたように一旦白紙に戻った。しかも、落札候補者には入札の一時停止など不落に至ったペナルティは何もない。
壱岐病院は県病院企業団が運営を担うため、入札発注者も企業団になる。入札に関して本市はなりゆきを見守るしかないことはわかるが、腑に落ちない考えも当然浮かぶはずだ。
同議案の質疑で、山口欽秀議員は「3月25日に資金借金融資実行が行われているが、3日後に落札業者から辞退届が出された。落札者決定の後に資金借り入れを行うべきではなかったのか」と意見した。
市は「借入申込提出日の観点から、2月6日までに提出せねばならなかった。不落により結果的に、全額未執行となり全融資額を返還するが、令和6年度に負担金の支払いが発生した場合は、予定していた起債が確保できていないことから、当該事業は資金不足となり全額を一般財源で充てることとなり、本市の財政運営に大きな影響を及ぼすことになる。このようなことから今回については、県病院企業団と進捗状況を確認し、締結ができる見込みから、申込書を提出し資金借入に至った」と説明する。
菊池弘太議員は「2月17日に落札候補者の決定があり、3月28日の辞退届提出までに約1か月ある。その期間、市への相談や話し合いはなかったのか」と疑問を呈した。市は「あくまでも県病院企業団の入札であり、本市は関わっていない」と明言を避けるように答弁している。
一市民としては、順調に増築が進むことを願いたいが。