2019.11.05反省点を次回に生かそう
先月19日に開催したウルトラマラソンは全国から620人が出走し、大きな事故やトラブルもなく無事に終了した。
過去の大会の出走者数を振り返れば、昨年の第3回は728人。第2回は台風が接近する悪条件の中でも609人が走った。ただ、参加エントリーは703人と公表され、離島開催での天候悪化はやむを得ないことか。そして、第1回開催は出走者555人で、参加エントリー数は635人。初回開催というリスクと全国的にも周知が行き届かない中の未知数でありながら、結果は大成功だったというべきだろう。
今回の大会は、これまで大手スポンサーとして協力していた企業が協賛を見合わせるなど、いくつかの不安要素があった。また、同時期には主に関東方面など東日本一帯への台風による豪雨の影響で大規模な災害が発生し、同方面からの参加動向にも不安がよぎった。
昨年の大会と比較すると、さまざまな要因はあれど結果的に参加数は減少している。これが今年だけの一過性のものであれば良いが、今後も大会を継続していくのであれば、運営側は大会内容やコース設定、おもてなしなど真剣に検証し、反省点は改善すべきだろう。
全国各地のフルマラソンやウルトラマラソン開催の評価と参加選手の声を集めて、インターネット上で公開しているランネットには、早くも今大会の内容が示されている。全国ウルトラマラソンのカテゴリーには、先月末の時点で壱岐ウルトラマラソンは全国3位の評価となり、評価点も85・1点となっている。今年の全国開催の平均評価点が69・1点であることから、かなりの高得点だ。
ゴール後の選手数人に話を聞くと、「コースは起伏がありハードだが、海の景色が美しく疲れを忘れてしまう」と島独特の地形を絶賛する声や、「各エイドでの中学生や地元の人たちのおもてなしに感動した」「各コースにアドバイザーがいて、迷うことなく走れた」など、市民ボランティアの働きが評価に大きく貢献していた。
一方で厳しい意見も上がり「エイドステーションなどでトイレの場所がわからなかった」「パンフレットなどに壱岐牛のメニューがあったが、実際は違っていた。楽しみの一つだっただけにがっかりした」なども。
また、第一回からの参加や過去の大会に出走した選手からは、「毎年開催のたびに、多少のコースアレンジをしてみては」とあった。コースのマンネリ化を言っているようだ。この辺りは運営側の知恵の絞りどころになろう。また、大会運営に関らない市民ボランティア以外の他市民からは、前日まで大会があることを知らなかったと言う声もある。選手呼び込み同様に、市民への周知ももう少し徹底してもよかったのかもしれない。
繰り返すが、ようやく定着してきた同大会は、さらによりよい開催とするためしっかりとした反省会を設け、多くの選手の意見を検証し、分析した内容を反映した上で来年開催に挑んでもらいたい。市民ボランティアの働きと運営のきめ細やかさが、大会の印象と評価に大きく影響しているからだ。(大野英治)