2026.3.14医療と子育てを支える制度の持続性を問う

 最近、人口減少による問題を取り上げる機会が多い。人口減少と高齢化が同時に進む地域にとって、医療と子育てをどう支えていくかは避けて通れない課題である。市が開いた国民健康保険運営協議会の議論は、その現実を改めて浮き彫りにした。

 市の国民健康保険事業は、加入者の減少という構造的な問題に直面している。人口減少や後期高齢者医療制度への移行により被保険者数は年々減り、保険税収入も縮小傾向にある。一方で、一人当たり医療費は高止まりし、財政運営の不確実性は増している。令和6年度決算は黒字を確保したものの、今後も同様の状況が続く保証はない。医療費の適正化に向け、生活習慣病の予防や重症化防止をさらに進める必要がある。

 2023年、本市の健康寿命は県内21市町で最下位という極めて厳しい現状であることがわかった。2022年のデータで、本市の健康寿命は男性77・9歳、女性83・3歳だという。市も健康づくりに取り組み、改善を目指す。しかし、人口減少はいまだ歯止めが効かない。この二つの課題は、国保の議論に直結する。

 市も改善に取り組む。その柱となるのが特定健診などの保健事業だ。早期発見と予防は医療費抑制と健康寿命延伸の両面で大きな意味を持つ。しかし受診率は半数にも満たず、目標には届いていない。制度を整えるだけでは十分とは言えず、住民の受診行動をどう変えていくかが問われている。

 もう一つの重要なテーマが、子ども・子育て支援金制度である。少子化対策を安定的に進めるための財源として、医療保険制度を通じて徴収され、児童手当の拡充や保育サービスの充実に活用される仕組みだ。地域社会の将来を支える制度である以上、その意義を丁寧に説明し、市民の理解を得る努力が欠かせない。

 人口減少社会の中で、医療、子育て、福祉の制度は互いに密接に関わり合っている。どれか一つだけで地域の持続性を支えることはできない。行政の取り組みとともに、市民自身が健康づくりや子育て支援の担い手として関わる意識を持てるかどうかも重要だ。

 制度の持続性は、本市の将来そのものに直結する。医療と子育てを支える仕組みをどう守り、どう育てていくのか。地域全体で考える課題だ。