2026.1.20フェリー乗船の行列改善を
年末年始や大型連休のたび、本市の港は帰省客や観光客でにぎわう。その光景は島にとって喜ばしい一方、毎年繰り返される課題もある。九州郵船が運航するフェリーの乗船口にできる長蛇の列だ。出航の一時間以上前から並ぶことも珍しくなく、さらに問題なのは、早く乗船しようと荷物だけを置いて人がいない「無人の列」が発生している点である。
先月25日に開かれた市航路対策協議会でも、この問題が取り上げられた。委員からは、五島市で運航される九州商船の事例が紹介され、乗船券にあらかじめ番号を割り振り、順番に呼び出す方式により混雑を防いでいると説明された。実際、同港では本市のような混乱はほとんど見られないという。
行列による負担は、特に高齢者や子ども連れの家族にとって深刻だ。体力的な不安に加え、寒暑の中で長時間待つことは安全面からも看過できない。大きな荷物を抱えた観光客が転倒しかねない場面もあり、事故が起きてからでは遅い。ジェットフォイルでは座席指定導入により行列が緩和された。飛行機や新幹線も同様であり、「並ぶのが当たり前」という考え方は、もはや時代に合わない。
九州郵船は「システムや設備の問題があり即導入は難しいが、研究したい」としている。確かに容易ではないだろう。しかし、利用者の負担軽減は帰省期に限らず、観光客が増える夏季にも直結する重要な課題だ。港は島の玄関口であり、そこでの不満や不安は、島全体の印象にも影響する。
利用者側のマナーも問われるが、それを是正する仕組みを整えるのは事業者の役割でもある。同時に、市としても航路の利用環境改善を重要な施策と位置付け、事業者任せにせず積極的に関与すべきではないか。離島航路は単なる民間サービスではなく、住民生活を支える公共性の高いインフラである。利用者ファーストの視点に立った改善こそが、結果として利用者増、さらには観光振興につながる。
国内旅行の誘客競争が激化する今、壱岐が選ばれる島であり続けるためにも、実効性ある対応を強く求めたい。
