2023.4.04「市民の責任」議員も不当と意見
市議会最終日の22日、認定こども園撤退の予算を含む3月補正の採決で、事業のあり方についての意見があがった。採決について山口欽秀議員が述べた反対討論は、同園事業全体の問題を総括するものだった。以下、発言内容を抜粋した。
「昨年6月議会の事業計画発表以降、市政や市民の中で混乱が続いた。今回、同園の建設が取り止めとなり、予算の取り下げという事態が起きた。この大失態は市政の信頼を大きく失うことにつながる。北串会は市民から度重なる誹謗中傷を受け、そのために安全かつ継続的な工事ができないなどを理由に撤退した。自ら住民への説明不足を顧みず、撤退の理由を市民のせいにするのは不当だ。
市民は建設予定地の危険性に不安を持ち、子ども達にとって安全で安心できる施設建設を望み、声を上げてきた。その声に耳を貸すことなく強引に建設を進めてきたのが北串会だ。反対する市民が悪いと責任転換することは許されない。
一方で市長、市は市民の不安や疑問に応えることなく、『民間事業だ』といって責任ある建設への取り組みを行わなかった。安心して通えるこども園の建設を求める声に、北串会も市も真摯に応えてこなかったことが今日の混乱に至った大きな原因の一つだ。
市民は建設がなくなったことに安堵の思いをしているのが現実だ。今後このような混乱を生むことがないよう、行政としてしっかり検証することを求める。そして信頼を回復するために市民の声をしっかり受け止め、保護者が安心して働き続けることができる市になるよう公共行政を進めていくことを求める」。以上が討論内容だ。
同日、北串会から全市議に対し「撤退理由」の書面が配られ、24日には市民へ向けチラシが配布された。文書には、当紙に対して報道のあり方を批判する内容、建設に否を唱えた市議から誹謗中傷を受けたとの批判、建設地見直しを訴えた市民団体への疑念、反対運動の影響などが記載されていた。内容は、当紙に届いた北串会からの抗議文(3月10日発行号に掲載)とほぼ同様のものだった。
文末部分には「市の教育行政は、某市議をはじめ市民団体、当法人事業に反対してきた関係者に委ねさせていただきます」と記している。違和感を指摘するが、教育行政は建設反対者に委ねるものではない。市全体で考えることだ。このような考えだから反発を生んできたのではないか。
この文書をどう受け取るか読み手により違うが、当紙に向けた抗議の反論、山口議員の討論内容が返答ではないかと思う。