2018.11.203年続けて空港滑走路延長を要望

1700㍍を1500㍍に変更するも県知事は難色を示す

市は12日、今年度の県への要望活動として白川博一市長、小金丸益明市議会議長、山本啓介県議、関係市職員らが長崎市の県庁に出向き、中村法道県知事に要望書を手渡した。要望には空港整備や、県介護福祉士修学資金貸付事業の継続と離島優先枠の創設など、全10項目が盛り込まれた。空港滑走路延長は平成28年度から要望しており、今年で3年続けてになる。白川市長は切実な思いで空路存続とそれに伴う滑走路等整備を訴えたが、中村県知事は「費用対効果はどうか。要求だけでは通用しない時代だ」として難色を示した。

 

毎年11月に市から県への要望活動を行う中、今年も壱岐空港滑走路延長を第1項目に盛り込んだ要望書を手渡した。空港滑走路延長は平成28年から今年で3年連続になり、これまでの要望書でも1項目に記している。

 要望書にある空港滑走路延長は「現行機Q200型の後継機選定が検討される中、候補にあるQ400型では現滑走路では就航が困難。空路存続のため、現在検討される全ての機種が離発着可能な1500㍍以上の滑走路を有する必要がある」とした内容。

 昨年までの要望で、空港滑走路延長は1700㍍としていたものを、今年の要望から1500㍍に変更した。その理由はORCによる後継機検討の中から、必要となる滑走路長を割り出した検証結果を受けてのもの。

 中村県知事は離島空路の存続は県としても重要事項と前置きをした後、「後継機の選定は大きな課題だ。国が検討している持続可能な地域航空のあり方も留意しなければならない。現在は調整段階だが、どのような形で実現できるのか、方向性に沿った検討をしなければならない」と本市だけではなく県内離島を含めた見解を述べた。

  しかし要望にある「あらゆる機種が就航できるように1500㍍に整備すべき」については、「滑走路延長には莫大な費用がかかる。また公共事業として採択もある。具体的にどの機種で、どのように運行していくのかが必要になる。後継機選定に伴う必要な滑走路延長はどうなのかなど、見極めなければならない」と厳しい回答をした。

 白川市長は「島民の気持ちとして1500㍍あれば空路存続に安心感がある。機種の選定は対処療法的と思える。1500㍍あれば市民は安心し、離島航路に悩むこともなくなる。市民の切実な願いとして聞きとめてもらいたい」と強く訴えた。

 中村県知事は「離島空港のあり方だが、どのような機種に限らず延長するんだという時代ではない。必要性の検証と調査などさまざまな事項から、必要不可欠と説明をした上でのこと。費用対効果も徹底分析しないと相当額の投資になる」とした。また「各離島でこのくらいのものが欲しいと要求するのは、もう通用しない時代になっていることを理解願いたい」と昨今の厳しい情勢を含めた意見を返した。

 また中村県知事は「かつて壱岐で空港滑走路延長を進めていた時、地域の賛同を得られなかった事実もある。現在は公共事業環境も異なってきている。現実的に何としても空路を残したいのならば、どう対応していけばいいのかを真剣に考えていかなければならない」と意見を締めくくった。