2022.5.173年ぶり開催「八日市」

例年より規模は縮小、一方で久々の「春の市」開催に活気取り戻す

 

 瀬戸、勝本、芦辺、石田と市内各所で毎年開催される「春の市」は、3月末から続く新型コロナウイルス感染拡大の影響を受け、開催中止が相次いだ。春の市の最後を飾り、島内最大の集客数となる「郷ノ浦八日市」のみ8日に3年ぶりに開かれた。郷ノ浦町の本町通りとふれ愛通りを中心に露店などが立ち並んだ。一方で、新型コロナ感染拡大の収束のめどは立たず、開催が決まった以降も連日感染者の判明が相次いだ。この状況から、例年開催の永田川駐車場でのフリーマーケットが中止になるなど規模が縮小され、例年では約1万人の人出も、今年は約3千人にとどまった。新型コロナの影響下、通常開催までの道のりはまだ遠いようだ。

 

 新型コロナの影響から2019年の開催以降、2年続けて開催中止となった郷ノ浦八日市が3年ぶりに開催。多くの来場者で盛り上がった。

 3月末から続く市内での感染者確認の一報が届く中、郷ノ浦以外の他4か所の「市」は、4月中旬の段階で中止を決定。郷ノ浦八日市は集客数など経済効果も高く、市商工会の会員らは「開催すべきか否か」の判断に揺れたと話す。結果として、マスクの着用や飲食時の密の回避など感染防止対策の呼び掛け、例年よりも会場規模の縮小などを講じて開催が実現した。

 永田川駐車場から郷ノ浦本町通りにかけては、たこ焼きやから揚げなどの軽食、懐かしい駄菓子屋を思わせる露店などが軒を連ね、多くの市民らが足を運んだ。「ふれ愛通り」商店街では店先に商品を並べ、活気ある通りとなった。

 八日市は300年以上前から年に一度、農繁期前の旧暦4月8日に、島民が海の幸と山の幸を物々交換したことが始まり。近年は5月第2日曜日の「母の日」に合わせて開催されるようになり、赤いカーネーションを買う姿が見られるのも最近の特徴だ。かつてから続く昔ながらの光景では、竹ぼうきや皿などの陶磁器、家庭用や職人用の包丁を売る店も軒を連ねた。