2022.11.15認定こども園、来月着工、翌年12月完成目指す

初の保護者説明会、建設予定地は「利便性があり適地」と北串会

 

 郷ノ浦町柳田地区で認定こども園「いきひかりこども園」の2024年4月の開園に向け、建設計画を進める社会福祉法人北串会(雲仙市、中路秀彦理事長)は6日、壱岐の島ホール大会議室で保護者説明会を開いた。保護者や保育所関連の職員、市民ら約30人、豊坂敏文議長ら市議13人も出席し、説明に耳を傾けた。中路理事長は、建設計画に至った経緯や施設の概要、土砂災害や交通量が多い周辺道路の安全対策などを説明し、「柳田地区で利便性を考え、適地だと判断した」と同地建設に踏み切った理由を話した。工事は12月から着工、翌年12月までには完成する見通しを示した。

 

 冒頭のあいさつで中路理事長は「市こども子育て会議による答申以降、約4年前から市こども家庭課と電話やメールによる意見交換を重ね、建設申請を行なった。しかし、当初の建設計画より1年延期となったことを、保護者をはじめ市民におわびしたい」と陳謝した。これまで定期的に来島し市民との交流を進めていたことを明かし、本市の印象として「事業で新規参入が盛んであることなどの印象を受けた」などと話した。事業推進については「これまで雲仙市でつちかった運営方針や方法を役立てることが、壱岐市でも十分可能と感じた」と自信を見せた。参加した市議に対しては「市議会で建設申請に関する補助金の承認をいただいた」と感謝を述べた。

 本市で建設地反対などの運動が巻き起こっている事態に関しては「同会の参入が、へき地保育所閉園の理由であるかのような発言や、建設予定地に無断で立ち入り反対運動をインターネットサイト(SNS)で広めるなどある」と例を挙げ批判した。さらに「これまで地元紙で掲載された内容を含め、私どもだけではなく周辺住民や各関係者も心を痛められたと聞く。しかし、多くの方々から心配の言葉を受けたことも事実であり、市民から温かな声も届いている」などと述べた。

 今後の建設計画では「昨今の物価高騰などに伴い、資材や製品の変更があった。現在は同等品での設計変更の見直しを行い設計見積もりも最終段階にある」として、来月中の工事着工を予定している考えを明かした。

 土砂災害の危険部分は、土留やコンクリートのよう壁を設置するとし、同園前を通る国道382号線の交通量の多さなどによる事故の危険は「壱岐署と協議し、横断歩道や信号機の設置などを要望している」とし、現在は協議段階のため、実現への協力を各市議へ求めた。

 今後の予定は、来年12月に完成を目指し、内覧会や入園に向けた保護者説明会などを予定している。園児募集は、市の募集要項に合わせた形になるため、内覧会以降になりそうだ。