2018.8.15夏夜に響く神楽の音と舞い「筒城浜ふれあい広場で大大神楽公演」

 第22回「壱岐大大神楽」公演が4日、石田町の筒城浜ふれあい広場野外ステージで開催され、島内外から訪れた約300人が鑑賞した。
 同公演は、国指定重要無形民俗文化財に指定されている壱岐神楽を島内外のより多くの人たちに広めると同時に、大大神楽は特殊な神事に奏するため、舞う機会の少ない若手神職の育成も兼ね毎年行っている。中でも夏開催の同公演と12月に住吉神社境内で行われる大大神楽の奉納は特に神聖視され、島内外から神楽舞を一目見ようと多くの人が足を運ぶ。
 大大神楽は、通常、神社の例祭で奉納される大神楽に、湯立(ゆだち)行事と思兼(おもいかね)、太多女(ふとだめ)などの磐戸神楽が加わる全35演目。そのうちの34演目を舞った。午後6時から11時ごろまで、神職約15人が交代で奏した。
 二剱(にけん)、折敷(おしき)、神相撲(かみずもう)などの技舞には、ステージ前にカメラを片手に見物客が集まり、一段と大きな拍手が起こった。同公演でしか見ることができない番外の漁舞では漁業関係者らが舞台へ上がり、神職から網をかぶせられ、海上安全・大漁と繁栄を祈願した。豊年舞と共に行われた「餅まき」は、子ども達らが紅白の餅やアメを拾い、「今年も大漁」と喜んでいた。
 熱湯の中に入れた笹を振ることで払い清められる湯立行事が終わると、人気の演目「猿田彦」「宇豆女」でクライマックスを迎え、最終演目の八散供米(やちくま)を舞い、約5時間にわたって奏された大大神楽を納めた。