2018.10.10制度に疑問ありの意見も  一支国博物館と市ケーブルテレビ、来年度以降の指定管理者決まる

 各議案の採決を行う先月28日の市議会定例会9月会議で、一支国博物館と市ケーブルテレビの指定管理者指名について、来年度から新たな管理者で運営することが決まった。一支国博物館の指定管理者については先月18日、付託を受けた産業建設常任委員会でも意見が賛否に分かれ、委員6人の判断は賛成4人反対2人で採決している。委員会付託を受けての本会議でも同様に意見が分かれ、議長を除く議員14人の判断は賛成10人反対4人。しかし安定的な業務運営に対する不安がくすぶり、反対討論で3人の議員が否を訴えた。

 

 市ケーブルテレビ指定管理者指名は全会一致で可決。付託を受けた産業建設常任委員会の場で「現在のスタッフの雇用問題は大丈夫なのか」「住民サービスの低下を招かないか」などの意見が飛び交ったが、委員会判断は可決となり、委員会付託を受けて本会議でも可決となった。

 一支国博物館の指定管理者指名は賛否の意見で紛糾した。討論で賛成を表明した豊坂敏文議員は「付託を受けた産業建設常任委員会で十分に審議した。また専門家を交えた選定委員会での審議も経ている」と正当性を訴えた。

 一方、反対の意を示す討論では植村圭司議員が「適正な手続きを経た指定管理指名だが、議会は手続きを判断する機関ではない。判断すべきは市民にとって良いサービスになるのか、適正な税金の使途になるのかだ。運営が順調にいくのか疑問がいくつも残されている。今のままでは不透明感がある」と不安を述べた。

 同じく反対意見を述べた音嶋正吾議員は「公募に1社しか来なかったから仕方がなかったのか。今回の指名業者は指定管理業務での実績は皆無だ。任せた場合、今後の明るい未来が描けるとは思えない。任せても大丈夫との信頼関係があり良い運営になる。再公募すべきだ」と厳しい口調で述べた。

 町田正一議員も「指定管理者制度は行政の効率化が目的にある。委員会の採決は尊重するが、はたしてふさわしい判断か。指定管理の運営費は約90㌫以上が補助金だ。博物館は市が直営で運営してもいいのではないか。そもそも今回の指定管理者がふさわしいかどうかより、指定管理者制度に疑問だ」と問題を投げかけた。

 先月18日、指定管理者の指定の審議を行った産業建設常任員会でも意見が分かれた。これまでと同じ運営が維持できるのかに不安と疑問の声があがり、「現在の指定管理者が辞退することは3月にわかっていたようだ。それから約半年後の9月に至るまで、なぜ議会に伝えなかったのか。また来年度以降の企画展開催などはできるのか」などの厳しい意見が出た。