2021.11.09会食会合の人数制限を撤廃

市内事業者の意見を受け、市内経済回復のため白川市長が判断

 壱岐の島ホールで先月29日、第10回市緊急経済対策会議が開催された。新型コロナの影響による市内経済回復の視点から、出席した飲食業や観光事業関連者から「旅館や民宿、飲食店での会食で、人数制限の緩和を検討すべきでは」とする意見が飛び交った。県は先月11日、会食などの人数制限を9人以下とする基準を発表、このことから市内飲食店などの会食も県に準ずる人数とした。事業者の意見を受け、白川博一市長は「各事業者の感染防止対策の徹底をもって、本日付(先月29日)で市内飲食店などでの人数制限を取り下げる」とした。これにより、本市で開催される会食や会合の人数制限は事実上、撤廃された。

 

 市内で新型コロナ感染症が確認された昨年以降、市は定期的に緊急経済対策会議を開き、今回で10回目となった。会議には市議会議長や各常任委員会委員長、壱岐振興局、壱岐保健所などの行政機関をはじめ、市商工会や旅館組合など市内事業者団体の代表らが集まった。

 先月から続く感染者数の減少で、収束後に向けた市内経済の回復に意見が集中した。先月11日から県が基準の目安とした「会食や会合は9人以下」とする人数制限を受け、本市独自の制限緩和について議論が交わされた。

 市商工会は「これからの忘年会シーズンを迎え、人数制限があれば職場などの忘年会は開けない。対策や方法を検討すべき」と提案した。

 壱岐旅館組合は「昨年から今年にかけて、観光客は約44~53㌫の割合で減少している。このような中で、人数制限はさらに売り上げ減につながる。法事や供養などの集まりごともできない。人数制限ばかりに目を向けるのではなく、コロナと一緒に生活を続ける考えが必要」とし、人数制限の撤廃を訴えた。

 県壱岐民宿協同組合は「人数制限9人以下と、ある程度の緩和はわかるが客数はまだ少ない。コロナ対策による自己資金借り入れの返済が始まっているが、来客の回復はない。市としても制限を緩める考えを」と要望した。

 人数制限緩和の考えには、本市のワクチン接種状況も理由にある。市の発表によると、先月25日の時点で12歳以上のワクチン接種予約率は91㌫。12歳以上の接種率は1回目89㌫、2回目84㌫と同日時点で県内の2回目接種率約71㌫に比べて高い。さらに12月以降、2回目接種から8か月以上が経過した人は3回目の追加接種の準備が進められている。

 白川市長は「人数制限はあくまでもお願いであり、これによる支援金制度もない。判断としては、各事業者が責任を持って感染対策を徹底し、絶対に感染者を出さないと強い考えでないと、制限緩和はできないのが現状。感染対策が講じられていることを示す、第3者認証制度を1店でも多く受けていただきたい。感染を起こさない店独自のルール作りも必要」と考えを示した。その上で、「人数制限を取り下げる」と判断を下した。