2023.3.28予算に不正報告の疑いあり

市長と担当課、予算繰り越し処理の不備認める。虚偽報告の疑いも

 

 6日付で突如、認定こども園事業からの撤退を表明した社会福祉法人北串会(雲仙市、中路秀彦理事長)の意向を受け、予算特別委員会の15日、同園施設建設費など1億7265万8千円の補正予算に関する質疑が上がった。同園に関する予算は、すでに市が支出義務を負う予算執行の支出負担行為が国に提出され、繰越明許費の取り下げができないため、いったん同会議で予算計上としての処理を進めざるを得ない。植村圭司議員は「手続き上、工事着工の事実がないと予算繰り越しはできない。市は理解しているのか」と詰め寄った。白川博一市長は「確かに議員が言う通りだ」として、市が進めた手続き上の誤りを認めた。

 

 北串会からの認定こども園事業撤退を受けて、市議会3月会議の予算特別委員会で各議員から事態の状況や経過、問題点などの指摘についての質疑が起きた。同事業は国の交付金が含まれ、本来、令和3年度事業の繰り越し分で、4年度には着工しなければならない。しかし、撤退時まで工事着工に至っていなかった。

 植村議員は「着工されていない事業なのに、補正予算が計上された。支出負担行為の手続きがどのようになっているのか説明を求めたい」と問うた。こども家庭課課長は「3月までの工事着工予定とし、県へも同様の繰り越し手続きをした」と答えた。植村議員は財政課課長にも同様に問い「こども家庭課と併せて、交付決定を持って支出負担行為を行った」とした。

 続けて、こども家庭課課長は「建設地は目に見える工事が行われてないが、契約締結後に準備として資材の発注など行っている。その状況も含めて着工判断とした」と付け加えた。

 両課長の答弁を受け、植村議員は「何を持って着工なのかの認識が間違いだ。予定段階で交付金は出ない。そのように建築基準法にも定められている。国や県も、着工しないと支出負担行為の契約書は受理しないはずだ。なぜ手続きを進めたのか」と続け、交付決定には工事着工の前提があると意見した。

 着工予定を理由とした予算繰り越し手続きについて、市こども家庭課の説明では▽工事請負契約の締結は2022年2月21日の時点で契約が締結されている。この締結を持って支出負担行為の手続きに移った▽工事資材の発注を着工と判断した。3月中に工事に着手すれば問題ないと考えた▽2月22日の時点で、福岡財務局長から予算繰り越しについての承認決定通知が来ている…など。

 厚労省に対し植村議員の調べでは、法令にある着工事実が予算の繰り越しに該当するとの回答だったという。仮に着工に至ってなくとも、市が県に対して着工報告書を提出した場合、財務当局は報告書のまま承認する通例がある。これらのことから、市による支出負担行為に伴う着工報告書は、虚偽申請の可能性が高いと言えそうだ。

 白川市長は「私は常に職員に対し『処理は早く』と急かしている。そういった中で、思いがけない結果で工事に関する問題が顕在化した。今回の事業については、確かに議員が言われた通りだ」と答え、「事業主体が市である場合は問題ないが、外部からの事業に対しては市を経由して補助金を出すことになる。今後十分な検証をしていく」と陳謝した。

 植村議員は「市長の言葉は重たい。検証をしたうえで、再発防止につながるということを言いたかった」と述べた。