2022.4.19かつてない感染者増に「第7波」懸念

40代以下の感染増加が顕著、病床確保のフェーズは4に移行

 

 市内で懸念されていた新型コロナウイルス感染再拡大が現実のものとなってきた。1日以降の感染者数は100人を超え、1日の新規感染者数も過去最多を更新する一方、40代以下の感染者数が増加していることが分かった。市の公表では、先月25日以降から12日の時点での感染者数は計112人にまで増加した。連日10人前後の新規感染者の確認に危機感を示した県は8日、本市の病床確保の目安を示すフェーズを2から4に引き上げた。

 

 市内での新型コロナウイル新規感染者の増加が止まらない。市や県は、現在の感染状況に危機感を募らせ、先月から引き続き感染拡大防止を市民に呼び掛けている。

 県は4日、本市の小中学校関連で新たなクラスター(感染者集団)が発生したと発表した。県によると、市では先月29日に県外の課外活動に参加した5人の陽性が判明。感染者の年代などは公表しなかった。

 5日には、市内飲食店でクラスターが発生した。県によると、従業員6人、利用客7人の陽性が判明。同日の感染者数は計16人になり、1日の新規感染者数が過去最多となった。6日にはさらに13人の陽性が判明。連日10人を超える感染者数に市民は驚きを隠せなかった。

 さらに同日、市立幼稚園で園児1人の陽性が判明し、1学級内の園児半数が濃厚接触者なったため、市教委は7日から14日まで、学級閉鎖とした。市教委は「園児の保護者が6日午後に感染していたことが分かり、同日夕方に園児に対して検査をしたところ、陽性が判明した」と説明した。当日は始業式にあたり、園では登園時に検温を実施していたが、熱などの症状はなかったという。市教委は「感染拡大しないよう、引き続き感染防止に徹する」と話した。

 以降も感染再拡大の懸念は続いた。7日は8人、8日は7人、9日には11人と、再び二桁にまで及んだ。その後も10日は6人、11日は5人、12日は4人と、感染収束のめどは見えない。

 患者の受け皿となる病床数の確保も進められている。11日時点で市内医療機関での入院者数は5人、療養者数は82人。県は8日、本市の病床の確保を示すフェーズを2から4に移行した。感染状況に応じて長崎や佐世保などの本土地区は3、五島と上五島、対馬は2となり、県内では本市が最も高い数値となった。このことから、本市では確保病床をこれまでの10床から21床に増やし今後の対応に備えた。

 市はホームページと防災無線で「今一度、基本的な感染防止対策を徹底し、会食の時を含め、会話をするときは必ずマスクの着用を。家庭内でもマスクを着用するなど、出来る限りの感染防止対策をお願いする。少しでも体調が悪いときは外出や会食を控え、すぐに医療機関に電話で相談のうえ受診を」と市民に呼び掛けた。ワクチン接種は「接種券が届いたら、1日でも早い接種を」と強調した。

 市危機管理課は「現在の状況が第6波のリバウンドか、第7波なのかは、全国の感染動向に関するので何とも言えない。県内では飲食店でクラスターが発生しているため、飲食店利用の時は感染防止の徹底を。現在、40代以下の感染が増加しているが、ワクチン接種済みの高齢者は比較的感染が少ない。ワクチン効果があるのは明らか」との見方を示した。