2025.4.08壱岐高野球部応援団が日本一に
センバツ「応援団賞」最優秀賞受賞。島民ら3千人以上の熱気とマナーが評価
第97回選抜高校野球大会(毎日新聞社、日本高野連主催)に21世紀枠で出場した壱岐高が「応援団賞」の最優秀賞に輝いた。先月30日の閉会式では、応援団長の3年坂口颯志郎さんが約3千人の大応援団を代表して、記念の盾を受け取った。
初戦の応援を対象に、応援マナーや気持ちを反映する応援だったかなどの審査基準で最優秀賞1校と優秀賞3校が選ばれた。壱岐高の選考理由として「島民の1割超にあたる生徒や保護者、島民ら3千人以上がアルプススタンドを埋め尽くし、攻撃時はもちろん、守備時もアウトを取るたびに声援が上がるなどチームを後押し。熱気もすさまじく、楽しみながら懸命に応援している姿が印象的だった。初出場ながら生徒と教師の連携もしっかりしており、マナーの良さも評価された」と発表された。
坂口さんは、長年の友人であり、野球に打ち込む選手たちをそばで見てきた。甲子園出場が決まった時には自然と応援団長に立候補した。野球の知識はなかったが、ほかの団員に教えてもらいながら本番をめざした。
応援練習は大会2週間前に始まった。団員も楽しんで参加してほしいと、ほめて伸ばすことを心がけた。壱岐商や郷ノ浦中、対馬高、姉妹都市の兵庫県朝来市の高校で結成した約70人のブラスバンドに壱岐高のチアリーディングとOB、各地から集まった壱岐出身者も加わり、応援の声はどんどん大きくなった。一体となった熱気の中で全員が楽しみながらエールを送った。
坂口さんがアルプススタンドから見た選手たちは、いつものひょうきんな友人ではなかった。「目つきが変わって、気持ちが入っていると思った。めちゃくちゃかっこよかった」と振り返った。
試合後に「夏もまた連れて行ってくれよ」と言うと、浦上脩吾主将が「まかせろ」と返してくれた。閉会式を終えて壱岐に戻り、船を降りた時には、「日本一の応援ありがとう」とメッセージを書いた紙を持って岩本篤弥選手と前田蒼太選手が待っていたという。
受賞については「率直にうれしい。地元でしかも強豪校を相手に良い試合ができて点も取れた。選手が日々努力を積み上げたうえに、島みんなの応援で背中を押してあげられたのではと思う」と語った。