2019.3.26詰めの甘さがないよう求む

 最近、市が委託する指定管理者指名で、スムーズさに欠ける疑義が続いている。本来ならば市の業務を円滑に行うために民間会社へ委託し、市民や利用者の利便性やサービス向上が目的になるのだが、不適正な事案が目につく。

 

 市ケーブルテレビの指定管理者移行は、これまでに何度も記事にして示してきた。市民の楽しみの1つである壱岐ビジョン制作のケーブルテレビ番組や、インターネットサービス、IP電話サービスなど、指定管理者問題はダイレクトに市民へ影響する。現在は4月から1年の期間をかけスムーズな業務移行を目指すことで方針は決まった。

 現在は弁護士による業務移行についての協議が進んでいる。指定管理者業務に関わる機器類の一部有償譲渡や契約者の個人情報の取り扱い、そして関西ブロードバンド側が疑念を持つ、指定管理者選定委員会の評価点の内容と委員任命の疑問など、問題は未だ複雑に絡まっているように思える。

 市議会3月会議の連合審査会で白川市長は「業務契約の協定書に瑕疵はない。選定委員会に不正はない」と明言した。しかしその一方で、協定書の解釈についての弁護士協議が続き、選定委員会の評価点と委員認定基準に疑問が残る。要するに「問題あり」とされるため、これだけの混乱が起きている。繰り返して言っているが、市民の利便性やサービスに影響ないことだけは切に願いたい。

 

 また、壱岐イルカパークの指定管理者指名にも疑義が起きた。指定管理者は一般的な原則として、指定管理を行う公の施設に会社登記をすることは不適正となる。しかし指定管理者のイキパークマネジメント株式会社(高田佳岳代表取締役)は、イルカパーク施設内に昨年から本社登記をしている。

 また、指定管理者指名を受ける以前、市と同社代表の高田氏は第三セクターとして同社設立を行なっている。資本金100万円のうち、25万円を市が出資している事実もわかった。しかしこのような予算説明を市議会ではしていない。市は市議会全員協議会で説明をしたことを経て承認を得たとするが、一部の議員は納得を示さなかった。さらに言えば本会議の議決すら通さずに進められていた。

 

 このような不意打ちに近い予算執行や事後報告は、ますます疑義を生む。通常通り正規の段取りを経ていれば、その過程で議論が交わされ、決議後にスムーズな業務委託になるのではないか。子どものいたずらに「ピンポンダッシュ」がある。こっそりと、他人の家の呼び鈴を鳴らし、逃げる遊びだ。各問題は同レベルの気がするのだが。(大野英治)