2022.7.12自らの意思で選んだ投票を

※8日発行分の記事

 10日に投開票日となる参議院議員選挙と県議会議員補欠選挙がいよいよ後半戦を迎えた。本市から参院選に出馬の山本啓介候補は県内全域をくまなくまわり、本市では県議補選出馬の鵜瀬和博候補と割石賢明候補が、最後のひと押しと言わんばかりに街宣車で島内を回っている。

 本市にとっては注目されるべき選挙のはずだが、どうにも盛り上がりに欠けているようにも思える。参院選の山本候補の場合は県下全域が対象となるため、本市での選挙活動の不足感は致し方ない。しかし、県議補選に関しては本市のみの選挙であり、県政に誰が出向いていくのかは注目されるべき選挙のはずだ。

 今回の県議補選は来年4月29日までが任期のため、今回の県議補選で選ばれる県議の任期は約9か月しかない。任期満了後は再び県議会選挙が行われ、本市も同様に再び県議選挙となる。ちなみに前回の県議選投票率は48・02㌫と低い。本市の場合は無投票当選だったため、この投票率の限りではないが。

 全国的にも言われてはいるが、過去の参院選投票率低下は厳しいものがある。2019年7月に行われた参院選は48・80㌫と5割を切った。1947(昭和22)年以降、5割を切っていたのは1995年の同選挙での44・52㌫と2回目。今回も厳しい投票率になるとの見通しがある。

 衆院選も同様で、1947年から1993年までは65~75㌫の投票率の推移だったが、1996年には約59㌫まで下落した。以降は、2009年に約69㌫まで伸びたものの、2012年からは再び下落し、昨年は55・93㌫の投票率で選挙を終えている。

 本市の場合、昨年の市議会議員選挙が75・41㌫、コロナ禍の真っただ中で行われた2020年の市長選挙が67・04㌫。以前にさかのぼってもほぼ80㌫を超えることから、投票率は全国平均から見ても比較的高いほうだ。

 今回の県議補選の投票率はどうなるのか。ちまたでは「どちらか選ぶのが難しい」との声を聞く。鵜瀬候補は議員経験が約20年に及ぶベテランであり、割石候補は政治経験はないが民間での実績は誰もが知るところだ。両者のタイプは大きく違い、世間の評価も全く割れる。有権者が悩むのも理解できる。

 結局、経験や実績も一つの判断材料にはなるが、どちらが県政での働きを見せてくれるのか、市民の声や思いを県政に届けてもらえるのかであろう。そのための一票を投じることが市民の意思表示になる。