2019.10.22混乱の責任は誰が取るのか

 市ケーブルテレビの運営を行う指定管理者の業務移行にようやく進展が見えてきた。市は11日、指定管理の業務引き継ぎに関する合意書を、現指定管理者で壱岐ビジョンの株主である関西ブロードバンド(株)(以下、関ブロ)と交わした。また、市ケーブルテレビ契約者に対しての個人情報通り扱いについても、契約者に同意を求めていくなど方針を示した。

 

 市ケーブルテレビ指定管理者業務移行の問題は、昨年11月の本紙の取材で難航していることがわかった。これまでの経緯は1面に記した通り。合意に行き着くまでの約1年間、市と関ブロとの間では法的解釈の違いから右往左往してきた事がわかる。また、双方の弁護士を介しての話し合いでも同じ論点となったことから、契約や協定書の記載不備はなかったのか、市ケーブルテレビ発足時の担当者から、市の担当課への職務引き継ぎの内容や理解度などが疑問視される。

 

 今回、約1年に及ぶ市ケーブルテレビ指定管理者の業務移行は、解決に向かったが、ひとつ忘れてはならない事がある。この件に関してどれだけの税金が投入されてきたのかだ。6月には、海底光ケーブル使用料云々との名目で、約3300万円の補正予算が発生している。これは、現指定管理者の関ブロと新指定管理者の光ネットのどちらかがNTTに支払うべき回線使用料だ。本来ならば1社支払いであるべきものが、業務移行が難航したことから、関ブロが支払っていた回線使用料とは別に、光ネットの支払いを市が肩代わりした形での二重払いになる事がわかった。このような事態は全国自治体でも前例がない。まさに失態だ。

 また、8月の市議会で約6億6000万円の補正予算を決めた。これは、関ブロとの業務移行が難航し、市が新たにシステム構築と利用者契約を進めるための予算を含む。

 

 今回の合意により、12月議会では1億円以上の予算計上が予想される。先の補正予算は一旦見直しになり、減額補正に思えるが、本来ならば正常な指定管理者業務移行の手順であれば、合意にかかる費用は必要なかったのではないか。

 今回の業務移行の混乱で、関ブロに対して情報機材等譲渡などの費用が渡る。そのため、市は税金からの多額の支出を検討する。また、約1年にわたり市ケーブルテレビ契約者にも混乱を与えた。

 これらは、契約当初からしかるべく書面で合意を交わし、市は指定管理者へ運営期間中の適切な管理とチェックやコミュニケーションを取っていれば回避できたのではないか。これらの不手際が、業務契約の解釈違いや、指定管理者指名選定時に、あらぬ疑惑を生んでしまったと思える。

 

 この問題では、多額の税金が投入される可能性もあり、納得いかなくとも納得せざるを得ない。納得せねば、市民はあらゆるネットワークサービスがストップしてしまう事態を突きつけられたからだ。あとは、これら支出と混乱を招いた責任の追及が残る。責任を明確にすることは、今後同様の混乱を起こさないためと、最も重要なのは責任の重さを知らねばならないことだ。(大野英治)