2022.12.13島外に拡散「こども園建設問題」

 郷ノ浦町で建設計画が進む認定こども園について、市民団体「壱岐のこどもの健やかな育ちを守る会」は1日、「建設地変更の署名3017筆を集めたものの、一向に計画変更の考えはなく、住民の声を無視した計画実行に対し、県の指導監督を求める」として、県庁内にある県議会議長室で要望書を議長に手渡した。その後、各報道を前に記者会見を開いた。

 市民団体は「島外の社会福祉法人が突然、郷ノ浦町柳田地区でこども園開設を計画した。市子ども子育て会議や議会にも全く知らされないまま、4月に交付金が内示された。建設場所を知った市民は、周辺の危険性が高く、預けられないとして、建設場所反対運動を展開。その後、9月に突然事業の延期となり、公立へき地保育所閉園で保護者が振り回された」と説明した。

 島内事情を初めて知った報道各社は状況把握のため、いくつかの質問を投げかけた。各社記者の質問は次の内容だった。

-交付金の要綱に関して、待機児童を無くすこととあるが、どう考えているか。

(市民団体)まず、壱岐市には待機児童はいないことを認識してもらいたい。交付金要綱の目的には待機児童解消のための整備とあり、今回の事業目的に反していると考える。

-県議会へ要望した理由と経緯は。

(日本維新の会県総支部、山田幹事長)今回の問題について割石共同代表から相談を受け、県担当課に確認をした。県担当課は「市と事業者が十分協議をした上での計画」という。市は「県と事業者で建設申請を進めたため、県からの突然の報告に驚いた」という。

 「市と県で意思の疎通がとれていない。このままではどっちがどっちかわからず立ち行かないため、行政のやりとりをきちんと県議会で解明してもらいたい」との考えだ。

-署名活動はいつまで続けるのか。

(市民団体)将来の子どもたちのため、北串会には山内共同代表所有の土地を無償で提供する話を伝えている。それでも建設地の見直しがない場合は、さらに署名活動を拡大していく。このことは、北串会理事長にも伝えている。今回は県議会に要望したが、国も認めた事業であるというならば、国に対しても訴えていく…。

 今回の県議会への要望活動と記者会見で、島外マスコミにも概要が知れ渡った。市民団体は建設地の見直しがない限り、署名活動を継続するという。本来であれば島内のみで解決すべきだったこの案件は今後、どうなっていくのか。