2019.4.09依存体質からの脱却意識を持つ

 新元号として「令和」が発表された。一つの時代が終わり、新たな時代へと変わる歴史的瞬間だ。平成は自然災害が多く発生した時代だったという。令和はどのような時代になるのか。

 

 日本は全国的に少子高齢化と人口減少の問題がある。また、消費税10㌫への増税で、経済的な悪影響が起こる可能性も予測される。離島などの地方は、都会よりも顕著に影響が現れると言う有識者もいる。

 市のホームページに「行財政改革大綱」が公開されている。これによれば、本市の財政状況は「市税などの自主財源の割合が約20㌫と極めて低く、収入の多くを地方交付税や国庫支出金に依存している」とある。見通しとして「市税収入の伸びは見込めず、普通交付税の合併算定替えの段階的縮減により、さらに厳しい状況が見込まれる」と分析している。

 

 また、中期財政計画で示す平成30年度から7年後までの財政収支見通しでは、同年度から毎年財源不足が続く。その補填として財源調整基金や減債基金の切り崩しが起きる。

 建設関係に従事する市民は、昨年度までは庁舎耐震改修工事や中学校移転工事、豪雨による被害の復旧工事で多くの仕事があったが、今年度以降はどうなっていくのかと不安を抱えている。

 今後も市政運営を注視していかねばならない。これが仮に民間会社であれば、運営の是非を問われる事態だ。

 

 また、4月から印通寺唐津間に新船が就航した。同航路を利用する乗客にとっては喜ばしい話だが、現実的な航路利用者は壱岐博多間が大部分を占める。ヴィーナスは設計が昭和40年代、建造も古い。今のところ、同船に代わる新船のめどは立たない。老朽化対策は部品供給でつないでいくしかない。同様に、航空路の継続問題も残されている。こちらもしばらくは旧型機の更新でつないでいく状況だ。

 

 本市の自主財源は約20㌫しかなく、昨年度からこの先も財政不足が続く。自立した地方自治体は皆無に近いが、それでも自力で進んでいく心構えがないと厳しい時代に入るかもしれない。依存体質からの脱却が必要だ。出来るかではなく意識の問題だ。(大野英治)