2022.3.29事業者への敬意と感謝を

 コロナ禍やウクライナ情勢など暗いニュースが続く中、本市では来年度以降から実現の可能性がある明るい話題があがった。9月から段階的に各校へのパン食供給を開始し、来年4月から週1回の給食パンが再開する見通しが、市議会3月会議の予算特別委員会で示された。

 2020年3月、約65年間続いてきた市内小中学校の給食パンがメニューから消えた。当時、市の説明では、週2回のパン食と週3回の米飯の給食が、すべて米飯に変わると報告された。報告を聞いた生徒や児童、保護者は「何とかこれまで通り継続ができないのか。子ども達も楽しみにしていたメニューなのに」とあり、卒業生からも「思い出深い給食の味が消える。残念でならない」などの声が上がった。

 パン食をやめた理由について、市は「2019年11月、給食パンを製造していた業者から、高齢になったことと後継者がいないことが理由で、辞めたいと申し出があった」と説明した。当時、市教委が作成した保護者向けのお知らせにも、同様の内容が記載された。

 給食パン復活の明るい話題に水を差すわけではないが、一点だけ誤解があるようなので苦言を呈したい。

 当紙390号(2020年2月28日号)で、「小中学校の給食からパンが消える」と題して、65年間にわたり給食パンを作り続けた郷ノ浦町柳田の吉永春陽堂(代表・吉永春詔)の記事を掲載した。この時、吉永さんは「市教委は私の高齢や後継者がいないことを辞める理由にしているが、事実とは違う」と否定している。

 当紙が確認した事実はこうだ。2019年9月、吉永さんは市教委に「製造機械の老朽化や週2回のみの委託で厳しい状況になった。新規に機械導入も経費的にきつい状況なので辞退したい」と申し入れている。かつては週5回のパン食が週2回の売り上げ減で影響し、多額の設備投資費もままならない状況が起きていた。まさに苦渋の決断だった。

 市の説明では違和感が伴うこと、あるいは説明や内容が訂正されているにも関わらず、更新されず再び公言してしまうなどが時折ある。間違った経緯や理由の説明は、関連の事業者に対して誤解を生む。これまで世話になった市内事業者への敬意と感謝を込めた発言をするよう願いたい。