2021.4.06このままで財政は立て直せるのか

 現在、市政全般において何かがおかしい。市長ら三役、市職員幹部、市議について、市民からの意見や不満、不信の声が後を絶たない。特に今年に入り一気に市民感情が高ぶり、顕著になって現れているようだ。なぜこのような状況を招いているのか。これまでの一年を振り返れば見えてくる。

 昨年4月12日の市議選で、現職の白川博一市長と対立候補の森俊介氏の投票差はわずか329票だった。コロナ禍にあり、市民との意見交換や遊説も十分ではなかった選挙は、新人に対して現職が明らかに有利のはずが結果は僅差。民意の約半数は現市政に「NO」を突きつけた。

 市議会では、コロナ禍で2度にわたり三役の給与減額案を否決。昨年の市議会4月会議で、白川市長は「三役の給与を5か月間20㌫減給し、減給分は布製マスク配布などの予算へ」との提案を、議会は「減給分を市内での飲食や宿泊のキャンペーンで使うべき。減給の意味がわからない」と判断した。

 三役の給与減給案は、先月の市議会3月会議でもあった。市職員から起きた感染拡大の責任として三役の給与3か月10㌫減給案を提出したが、議会は「三役の給与削減額は、財政としてさほど影響がない」として否決した。この理由にある「さほど影響がない」がどうにも引っかかる。三役給与減額は「さほど」であり、市民が痛みを受けている補助金や、住民サービス予算は財源に「大いに影響あり」なのか。あるいは言葉足らずなだけで、他に真意があるのか。

 通常の民間企業であれば、会社の資金不足への対応は代表者や役員の報酬などが減らされる。無論、同時に経費削減やリストラ、従業員の給与減額もあろうが、まずはトップ連中が経営責任を問われる。資金繰りに苦しむ会社が「役員報酬減額など、資金にさほど影響がない」など聞いたことがない。このような会社は間違いなく潰れる。一般の常識からかけ離れているように思うのだが、本市の市政運営はどうなっているのか。

 昨年12月18日には、コロナ感染拡大防止のために5人以上の会食を控えるべき時期だったにも関わらず、市長ら三役、市職員幹部、市議らは約30人で会食を開いた。本来であれば、市民に対して手本を示さねばならないはずが、いとも簡単にルールを破っていたことが発覚した。

 他にもまだある。市はGIGAスクール構想構築のため昨年9月、ケーブルテレビ通信機器の更新工事費2億7225万円で随意契約すると議案を上程した。しかし、高額な契約を随意契約で決定するという市の姿勢は、入札制度の否定につながるとされた。市はすぐさま議案を撤回するというお粗末な結果となった。

 疑問がある事案を挙げればきりがない。費用対効果に疑問が残る東京事務所開所や、イルカパークなど特定施設への多額の予算組み、現在も係争中のため、未だ市長からの説明が聞けない、選挙に関係した入札指名外しの事実確認など。

 そして、3月議会で問題となっている財源不足に対して、白川市長が「勉強不足だった」と述べた理由への驚きと不信。現在の市政運営は一体どうなっているのか。