2021.4.27「木を見て森を見ず」発言を突き返す

 前号1面での財政についての住民監査請求について、白川市長が市議会4月会議で反論を述べた。当紙に向けた発言であり、このやりとりに関わりがない部外者が意見を挟むなど、話が混乱しないよう、早急に市長の言葉を確認してみたい。監査請求した市民の考えや主張とは別に、当紙に間違った解釈や否があれば即座に正したいからだ。

 白川市長は「基金の異常な減少があると報道されている。これは財政調整基金に限った話だ。財政調整基金を積み立てるより、高い利息の地方債の繰り上げ償還を行う方が将来の財政負担の軽減につながるとの判断から、繰り上げ償還を優先し積み立てを減らしたことによるもの。決算書の一部だけを抜き出し、市の財政は10年前から疲弊していたとの主張は、まさに『木を見て森を見ず』だ」と反論した。

 また、「最大で108億円余りの基金が令和元年度に79億円余り、令和3年度末には56億円になる見込みであることから、財政基盤確立に向けた取り組みを推進していく。市民には理解、協力をお願いしたい」と述べた。

 当紙で確認したところ、財政の積立金は地方財政法7条で示され、「年度ごとに決算上で剰余金が生じた場合は、翌々年度(2年かけて)までに積み立て、または償還期限を繰り上げて行う地方債の償還の財源に当てなければならない」とある。このことから、積立金は地方債の償還などに当てられ、平成24年度以降の極端な減少額がそのまま財政すべての状況にはならない。これについては、当紙に解釈間違いがあったことはお詫びしたい。

 しかし、結局のところ、基金が減少している問題は事実として残される。例えば、決算書で平成29年度の減債基金残高27億6405万4千円が、平成30年度には17億6515万9千円と約10億円減少している。さらに令和元年度には7億6540万6千円と約10億円減。わずか2年間で計20億円減となっている。財政調整基金はこれまでも記事で取り上げたが、減債基金の年間10億円は何に使ったものなのか問いたい。

 積立金や基金は、数字合わせの面もあり分かりづらいが、基金を取り崩しながらの財政であることには違いない。もしや大きな取り違いが起き、実は財政の安心材料があるのではないかと市長の反論に期待したが、何てことはない。決算書の解釈違いであり、結局のところ財源不足であることに変わりはない。

 記者も市民の一人。あえて市民目線で言うが、財政で示される数字がどうのこうのではなく、市民が知りたいことは、「現在の財源はどうなのか。市にお金はあるのか。あるならなぜ、削減するのか」だ。市長含め市職員幹部が、決算書の数字を並べ立て、財政や決算書解釈に長けていると豪語するならば、なぜ財政不足に陥ったのか。

 市が財源不足なのは事実だ。書面などの数字にばかり目がいき、現実のお金(財源)に目がいかずに現在のような事態を招いた市政にあえて言う。「木を見て森を見ず」は自分らではないのか。痛みを受けることになった市民の姿にも目を向けよ。政治家(市長)は結果がすべてのはずだ。そして、この現状がすべての結果だ。